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天敵による捕食行動が昆虫の繁殖力を増加させる

2021年06月08日


◆発表のポイント

  • 貯穀害虫であるオオツノコクヌストモドキのメスの繁殖力が、天敵であるコメグラサシガメによる捕食行動によって、増加することを発見しました。
  • 捕食者が被食者のオスとメスの繁殖力を下げるということが定説ですが、本成果は異なる結果を示しました。
  • 本成果は、天敵の捕食行動が被食者の形態や繁殖力に影響することを示し、生物進化に関する基礎研究と害虫防除に関する応用研究の両方で役立つ知見として期待されます。

 岡山大学学術研究院環境生命科学学域(農)の岡田賢祐准教授、東京大学大学院農学生命科学研究科の香月雅子研究員(日本学術振興会特別研究員)、東京都立大学大学院理学研究科の岡田泰和准教授らの研究グループは、害虫であるオオツノコクヌストモドキのメスの繁殖力が、その天敵であるコメグラサシガメの存在下で、増加することを明らかにしました。本研究成果は、令和3年6月8日(火)午後6時(日本時間)にNature Communications電子版に掲載されました。
 従来、天敵の存在によってオスとメスの繁殖が抑制されると考えられていますが、本研究は従来の定説を覆す発見です。この矛盾はオオツノコクヌストモドキにおけるオスとメスの対立関係に由来します。本研究は、生物の繁殖に関する新たな理論を提示するだけでなく、天敵を使った害虫防除法の技術開発においても考慮すべき知見であり、基礎・応用研究の両方で役立つことが期待されます。

■論文情報
論文名:Natural selection increases female fitness by reversing the exaggeration of a male sexually selected trait
掲載紙:Nature Communications
著 者:Kensuke Okada, Masako Katsuki, Manmohan D. Sharma, Katsuya Kiyose, Tomokazu Seko, Yasukazu Okada, Alastair J. Wilson and David J. Hosken (K. Okada and M. Katsuki contributed equally)
DOI:10.1038/s41467-021-23804-7

<詳しい研究内容について>
天敵による捕食行動が昆虫の繁殖力を増加させる


<お問い合わせ>
岡山大学 学術研究院環境生命科学学域(農)
准教授 岡田 賢祐
(電話番号)086-251-8324
(FAX)086-251-8324